ISDNとは交換機・中継回線・加入者線まで全てデジタル化された、パケット通信・回線交換データ通信にも利用できる公衆交換電話網である。ITU-T(電気通信標準化部門)によって世界共通のIシリーズ規格として定められている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ISDNより引用
ISDNの登場により、ご家庭の電話から回線終端装置(DSU)というものを繋げば、その先で扱うデータが全てデジタルデータになりました。
ISDNのサービスについて
ISDNは、日本ではNTTが2000年よりサービス開始しています。
『ISDNはじめちゃん』のCMでピンとくる人もいるかも知れません。
上記のCMでも謳っていたとおり、ISDNの大きな特徴として1契約で2回線(オプションによっては3回線)使用できた事があげられます。
それまでのアナログ回線でのインターネットでは、契約回線が1つですと、電話もインターネットもFAXも同時に扱うことができませんでした。インターネットを使用しながら電話、といった2021年現在では当たり前のようなこともできなかったわけです。同時に使いたい場合は複数回線を契約する他ありませんでした。
ISDN回線ですとすでに2回線が契約されているので、そういったことが起きなくなりました。
また、インターネットの速度も安定性も向上しました。
当時のアナログ回線でのインターネットは56Kbpsでしたが、ISDNで安定した64Kbps。2回線とも使用するとなんと128Kbps!
無線通信でメガギガが当たり前になった2021年現代からすると何ともな速度でしたが、当時では倍以上の速度を安定して出すようになったため、それなりな革命ではありました。
また後に、インターネットの定額プランも提供されました。
アナログ回線でのインターネット定額利用にはNTT提供の『テレホーダイ』というものがあり、『23時から8時までは特定の電話番号への通話料金/通信料金が定額』の条件を契約プロバイダとのアクセス番号に指定して定額でインターネットを利用するという方法が使われていました。そうとなると、インターネットの利用はだいたい早朝・深夜に限られていたわけになります。
テレホーダイと違って、こちらの定額プランは日時を問わないものです。今でこそ『インターネットは定額である』といったことは当たり前ですが、その先駆けはISDNの定額プランや、ADSLでのインターネットと言えるのではないでしょうか。
ISDNの接続構成
ISDNの接続構成については、工事担任者でよく出題されます。
これに関しましては別記事で詳細に記載したいと思います。
ISDNのサービス終了について
2024年1月以降、NTTが提供するISDNサービスでのディジタル通信モード(インターネット)は利用できなくなるとのことです。すでに新規受付も2018年11月30日をもって終了しています。通話は引き続き利用可能です。(参照)
もうソフトバンクなどの他社ではすでにISDNサービスが終了していたりします。おそらく日本国内ではNTTの2024年1月が最後と思われます。
とはいえ参考のURLにもありますが、2024年1月以降も代替のISDN通信サービスは提供されるとのことです。ただしHPに『全く同一の品質とはならないものの』という文言があるため、あまり品質には期待できそうにありません。
一時代を築いた通信手段の一つでもあるISDNですが、このサービスも今では終わりが見えてるといった、なんとも物悲しい感じではあります。
●参考資料