電話とインターネットって同じ回線なの?

『電話とインターネットって同じ回線なの?』『電話回線とネット回線は同じ?』

これ、単純で基本的なことのように思われるかもしれませんが、案外ややこしい問題だったりします。電気通信関係のお仕事のプロの方なら常識かもしれませんが、そうでない方はネット回線を契約する際に調べるかもしれない程度のところですので馴染みがない方がほとんどかと思います。

結論を先に申し上げますと、

『電話回線とインターネット回線は別です(極稀に例外あり)。しかし現代はインターネット回線で電話ができるので電話回線がないお宅もあります』

といった感じになります。

今回の記事はその部分について少し詳しく書いた読み物になります。

電話回線について

電話回線は歴史が長いです。こちらのKDDIさまのサイトにわかりやすくまとめられています。

日本で電話サービスが開始されたのが1890年です。この記事を更新している2021年現在、日本最高齢の方が118歳=1903年生まれとのことなので(世界最高齢でもあるみたいです!)、電話サービス開始当初にこの世にいた人間はもういないということになります。

そう考えると電話サービスの歴史はとても長いですね。

始めは電話交換機なんてものはなく、電話交換手という方が交換局にいて発信者から相手先を聞き出しその相手先までつないでいました。

全ての通話が電話交換機になったのが1960年代くらいだそうです。

電話サービスはその後も成長を遂げ、FAXを始めとして、ナンバーディスプレイや迷惑電話着信拒否など、いろいろなサービスを提供するようになります。

最も革命的といわれるのがインターネット。普及当初は電話回線からモデムを介してインターネットと接続していましたが、電話と同時に使えなかったり、定額制のプランを使わなければとんでもない電話代になったりするのでなかなか扱いが難しいものでした。

しかしISDNの登場により、これまで不可能だった電話とインターネットの同時接続、インターネットの使い放題プランが実現され、インターネットの普及が進みました。その後、アナログ回線でもインターネットができるADSLも登場しました。

冒頭お伝えした、『電話回線とインターネット回線は別です(極稀に例外あり)』というのは、今でも電話回線を使っていてかつ、インターネットはISDNかADSLを使っている方がその極稀な例外になります。

2021年現在、もしかしたらADSLならまだ使われている方もいるかも知れませんね。

ISDNは回線速度がかなり遅いので、インターネットユーザーで使っている方は滅多にいないと思われます。

インターネット回線について

インターネット回線の始まりは、上記にあるISDNになります。ISDNの次にADSL回線が普及されました。

それでは結局インターネット回線=電話回線になるのでは? と思った方もいるかも知れません。

そこで光回線の登場です。

今までのメタル線でなく光ファイバーを伝送路としてユーザー宅まで引き込む方式をFTTHといいますが、この方法が主流になりました。

実は2001年からNTTよりBフレッツというサービス名で提供されていたため、ADSLのサービス開始時期とほぼほぼ変わらなかったりします。(ADSLは2000年末から開始)

しかしこのFTTH方式は光ファイバーを引くところから始まるため、サービス開始当初は対象エリアが首都圏と大阪くらいしかなく、サービスエリア拡大も急速に拡がっていくものではありませんでした。

しかし2021年現在ではこの光回線方式が当たり前となっています。

光回線対象外の地域は日本にはほぼほぼありません。(実はゼロでは無いわけですが)

上記の通り、このFTTHの場合、回線は既存のメタル回線とは別に、光ファイバーの回線を別で引くことになります。

このことから、『電話回線とインターネット回線は別です』といったことがわかります。

インターネット回線で電話する『IP電話』

IP電話と聞いて、SkypeやLINE電話といったものを思い浮かべる方も多いかと思います。050の電話番号サービスが思いつく方もいるかもしれませんね。

そのなかでも、光回線のインターネット回線で電話をするパターンがあります。今ご家庭にある固定電話はこの方式が一番多いかもしれません。

インターネット網の中にて、電話回線でいう交換機のような機能をもたせたものや、音声をインターネット上で扱える状態に変換しリアルタイムで伝送ができる技術が生まれたことにより、インターネット回線で従来の電話回線と変わりない音質で電話ができるようになったのです。

そのように高品質な通話サービスの場合、固定電話と同じような電話番号が与えられたりしました。(東京ですと03-XXXX-XXXXのような番号)

また、それまでの固定電話の番号もIP電話に持ち越せたりするため、どういう原理かあまりよくわかっていないけどインターネットのプラン買えたら家の電話がIP電話化していた、というパターンもあるかもしれませんね。

現在、新しく電話回線を引かずとも、インターネット契約と同時にIP電話を契約することで、電話回線がなくとも電話が使えます。

冒頭での、『現代はインターネット回線で電話ができるので電話回線がないお宅もあります』というのはこのことを言っていました。

もしかしたらあなたのお宅にも、昔は使われていたけど光回線とIP電話の導入で完全にお役御免になった、今は電話もモデムもなんにも接続されていないMJ(モジュラージャック)があるかもしれません。

(上から容赦なく光回線用のコンセントが突っ込まれていて跡形がなくなっているパターンもあるかもしれませんが)

ケーブルテレビでも同様にしてIP電話サービスの提供があったのですが、2017年でサービス終了となっています。

以上が電話回線とインターネット回線の違いになります。一概には別物とは言い切れませんが、まあ別物だろう、くらいの認識でいいかと思います。

それくらいの感覚があるだけで、今後の電気通信の勉強は少しイメージがつきやすくなるかと

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