電話交換機の網構成について

今回は電話交換機の網構成について少し掘り下げてみます。

電話交換機がネットワークを構成することで電話はつながる、といった仕組みになっていましたよね。

今回はそこの部分についてもう少し詳しく見てみましょう。

電話交換機の網は階層型構成!

電話交換機が作るネットワーク網はどのようになっているのか・・・。

下図のように電話交換機の全部が全部にそれぞれつながっていたら確実かもしれませんが、ケーブルでつなぐ手間やコストを考えるととても効率が悪いです。

構成もぐちゃぐちゃすぎてなにがなんだかわかんなくなるかと思います。

このようにすべての要素一つ一つが相互でつながっているネットワーク構成を『メッシュ構成』といいます。故障や障害に強いのは間違いないですが、コストが大きすぎますね。

電話交換機のネットワークは、下図のような階層構成になっています。

このような階層型のネットワーク構成を、別名『スター型』と呼んだりします。

故障発生時に孤立してしまう装置があったりと、安全性ではメッシュ型に劣るかもしれませんが、接続の効率のよさは段違いです。

またこのように、階層を市内単位・府県単位・全国単位、みたいな感じで決めているとごちゃごちゃしにくいのも良い点です。

直収電話のユーザーを収容している電話交換機が加入者交換機(GC)になります。

家の電話線から電線や地下を通った先にあった電話交換機がこれになります。

その加入者交換機をまとめているのが中継交換機(IC)、さらにその中継交換機をまとめているのが関門交換機(SZC)になります。

・・・でも実際の施工はリング型の構成

上記でお伝えした通り、電話交換機のネットワーク構成はスター型です。

これは間違いないです。他の参考書やネット記事でもそう書かれていますし、その前提で進めても問題ございません。

しかし実際に加入者交換機と中継交換機それぞれが一本の線で最短距離で引かれているかというと、そうではないです。

実は、効率で考えるともっと良い方法があります。

それがリング型です。

下図に示す通り、ケーブルの施工のコストを最小限に抑えるためにはスター型よりリング型のほうがよかったりするのです。

※交換機をつなぐ路を『伝送路』と定義しています。

上の図だと、リング型のGC2への伝送路がGC1そのものを経由しているようにみえるかもしれませんが、あくまで途中まで同じ伝送路をつかっているだけです。(だからGC1がこわれたらGC2とICもつながらなくなるわけではないのでご安心を・・・)

このように最短距離でそれぞれの装置をつなぐよりさらにコストを減らせます。

あと、当然リング構成ならスター構成より故障耐性に少し強くなります。

伝送路の故障は1箇所までなら迂回して補えるようになりますね。

このように、電話交換機のネットワークはスター型と考えても問題はないですが、実際にケーブルの施工はリング型になっていることを頭の片隅にでも置いておいてくださればと思います。

考え方や概要図を書く時等はスター型でも問題ございません。

※本サイトも、以降の説明もスター型を前提に書いていく予定です。

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