共通線信号で相手に電話がつながるまで

以前の記事では、共通線信号線は交換機同士でスター型のネットワークを構成している、といったお話をしました。

全ての交換機が共通線同士でつながっていることはわかりましたが、このネットワークで交換機同士は具体的にどういった情報を伝えあっているのでしょうか。

共通線信号のやり取りはどのようなものがあるか、というと、いろいろとありますが、まずはこのHPの醍醐味でもある、電話をかけて相手につながるまでももちろん該当します。

現行の電話交換機でやり取りする共通線信号の名前はISUPといいます。

実際に電話をかけて相手につながるまでのISUPの信号の流れを以下に示します。

発信者(電話をかける人)から加入者交換機(GC)、

そして中継交換機(IC)をひとつだけ経由して、

着信側(電話をかけた相手)が収容されている加入者交換機(GC)、

そして着信者

といった信号の流れを例にしてみます。電話交換機の網構成についてはこの記事で書いています。

①番号をもとに着信側のGCへ

発信者が着信者の電話番号に電話をかけます。この時、発信者が収容されている加入者交換機まで着信者の電話番号情報が送出されます。交換機ではこの電話番号が『自分のところに収容されている』もしくは『別のところに収容されている』かを判断します。

今回は別のところに収容されているので、信号は中継交換機に移動します。この時に送っている信号がIAMといった種別の信号になります。

交換機から交換機へIAMを送出するのに、共通線交換機を経由します。上図では共通線交換機の経由は割愛しています。

そうして電話番号をもとにいくつかの交換機を経由し、最終的に着信者が収容されている加入者交換機までIAMが届きます。

またこの時点で、発信者から着信者まで、どの交換機を経由していけばつながるのか、といったルートも確立できました。

②IAMを正常に受け取ったらACMを返す

着信者が収容されている加入者交換機でIAMが無事送出されると、IAMが通ってきた共通線ルートを逆行してお返しの信号を送出します。

このお返しの信号はACMといった種別の信号になります。

ACMには、着信者の通話状態といった情報も保持しています。

もし着信者の人が別の人と通話中だったり、受話器が外れているような状態だった場合、話中状態であることを発信者の加入者交換機へ伝えます。

その場合、加入者交換機から着信者にビジートーン(BT)を送出し、話中状態であることを伝えます。

そうでない場合は以下の③に進みます。

③着信者へ呼出信号を、発信者へCPG信号を送出

着信者側に電話がかかってきたことを知らせるため、加入者交換機から着信者へ呼出信号が送出されます。この呼出信号を着信者の電話側で受け取った時、着信者の電話が鳴るわけです。

また、着信者側の加入者交換機から発信者側の加入者交換機へ『呼び出し中』を意味するCPGといった種別の信号を送出します。

④CPGを受け取ったら電話に呼出音を送出

着信者側の加入者交換機でCPGを受け取った時、着信者側の電話に呼出音(RBT)を送出します。

相手が電話を取るまでに聞こえる『プルルルル、プルルルル……』という音のことです。

⑤着信者への呼出信号を止め発信者へANM信号を送出

着信者が電話がなっているのに気づき、電話に出ます。受話器を上げることをオフフックといいます。

オフフックすると、着信側の加入者交換機で電話に出たことを検出し、その瞬間、着信側への呼出信号が止まります。それと同時に、着信者が電話に出たことを加入者側に知らせるために信号を送出します。そこで送出される信号がANMという種類のものになります。

⑥ANMを受け取ったら呼出音を中止

発信者側の加入者交換機でANMを受け取った時、それまで交換機から発信者へ呼出音を送出していたのが中止されます。

これで発信者、着信者ともに電話に出ている状態になり、晴れて通話開始となります。

以上が、電話をかけて相手につながるまでの共通線信号の流れになります。

情報量が多く、少し混乱した方もいたかもしれませんが、一つひとつ順を追って、読み解いていただければと思います。

おさらいになりますが、IAMやACMといったISUP信号は交換機同士でやりとりする、共通線信号のことになります。

資料によっては簡略のために電話からIAMなどが送出されていたりするシーケンス図もあったりしますが、ISUP信号は交換機同士のやり取りでしか使わないので、厳密に言うと少し違っています。

ISUP信号で交換機同士がやり取りし、ISUP信号を受けた加入者交換機が呼び出し音だったりビジートーンを発出する、という感覚を頭の片隅に置いといていただきたいです。

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