前回の記事では電話についての最低限の仕組みについて説明しました。
音声を別の信号に変換し何かしらの方法で伝送するのが電話のしくみです。
これが糸電話だと音声信号は糸の振動になり、電話だと電気信号になります。
もう少し詳細に書くと、電話は電話機で音声⇔電気信号(銅線)の変換を行っています。
一般的に、電気信号を扱う銅線のことをメタル線と呼んだりします。
ただ糸電話と電話違いはこれだけではありません。
そもそも糸電話ですと、特定の相手としかお話できないということです。
電話はそんな事ないですよね。電話番号さえわかれば、特定の相手を選んで電話をかけることができます。
電話がこのように、任意の連絡先と通話ができる仕組みについてもうすこし掘り下げてみましょう。
電話交換手について
時は遡ること19世紀後半。当初電話が導入されたアメリカでは、糸電話と同じく電話も2拠点のみの音声通話だったものから、次第に中継点をもつ構成になりました。
電話をかけると、まずその中継点にまで電話がかかります。その中継点で電話に出た人に、電話のつなぎ先を伝えます。
中継点の人は、電話をかけてきた人と、つなぎ先の人の銅線をつなぐのです。これで任意の相手に電話が繋がります。
中継点でつなぎ先をきき、銅線をつなぐ人のことを電話交換手といいます。
日本では1890年に電話サービスが開始された時点で、この電話交換手は存在したとのことです。
こうして電話交換手を介することで、特定の相手と離れていても電話で通話ができるようになりました。
電話交換機の登場
電話交換手の登場で、好きなときに好きな相手に電話がかけられるようになった。
とはいえ、結局電話交換手の方にまず電話をかけなかればならないのです。
電話サービスの普及とともに電話交換手の人数は増えるようになったとはいえ、限界もあります。
ここで番号情報を受け取ることで、自動で相手先に電話をつなぐ電話交換機が開発されました。
19世紀終盤、ステップ・バイ・ステップ交換機といった名前で開発された電話交換機。
20世紀初頭には日本にも導入されました。1923年の関東大震災で電話基盤が壊滅的な打撃を受けたことが導入の契機となったそうです。
よって電話交換機の登場で、人を介することなく電話サービスが利用できるようになりました。
これが電話サービスの仕組みです。
これだけですと、電話から電話交換機までどのようにつながっているのかとか、電話交換機は全ての電話につながっているのかとか、いろいろと説明がついていない部分がたくさんあります。
2章移行では、その部分について順を追って一つずつ解説していきます。(2章の方が先に書いた記事なので、被りはあるかもしれません。)
この章では、以下の2点を抑えていただければと思います。
・電話とは、声(音声)を電気信号に変換して伝送して、また音声信号に戻し、相手に声を届けることで、遠隔でも通話ができるサービス
・電話の先には電話交換機があるので、任意の相手にいつでも電話ができる